非公式編集後記:2021年5月31日(月)〜6月13日(日)
ビットコインは、冴えない動きが続いています。
「エルサルバドルがビットコインを法定通貨に」というドラマチックなニュースがあり、3万2000ドル付近まで下がっていたビットコインは反発しましたが、勢いは続かず、今は3万6000ドル付近で横ばい状態です。
直近2週間の価格推移(上図)を見ると、下げた分を戻しただけ、という感じ。
「期待したほどインパクトがなかった」のは、国家がビットコインを法定通貨としたことは歴史的なこととはいえ、エルサルバドルは経済的には小国。価格に与える影響はさほどでもないという、ある意味、冷静&冷徹な判断が勝ったということでしょう。
規制の強化と、強気相場の終焉
エルサルバドルのニュースは突然降って湧いたようなポジティブなニュースでしたが、むしろこの2週間はビットコインへのネガティブなニュースが続きました。実際、6月はこんなニュースからスタートしました。
さらに、中国でのマイニングや取引の規制に続いて、アメリカ、ヨーロッパでもビットコインへの規制が強化されそうというニュースや、強気相場の終わりを伝えるニュースが続きました。
こうやって並べると、暗い気持ちになりそうですが、市場の先行きは誰にもわかりません。
この先、ビットコインはどういう動きになるのか。ただ、ひとつ明確に言えることは、規制の動きは長期的にはプラスになるということです。
規制→環境整備→長期的成長
規制強化の動きで、短期的には横ばいの動きが続くでしょう。また長期的にも、今回のような価格上昇、つまり2020年10月の1万ドル付近から半年で6万ドルまで上昇するようなことは、もう起こらないと思います。
言ってみれば、規制強化でビットコインは「普通の投資商品」に近づきます。「魅力がなくなった」と捉える人もいるでしょう。ですがその一方で、欧米やシンガポールなどで進む機関投資家の参入は、より一般化します。
個人投資家も「短期間で5倍! 10倍!」と考える人たちではなく、ややリスクはあるけれど、「株式投資+α」くらいのリターンを望む人たちの参入が増えると思います。
魅力的だけど、付き合うと大やけどする危険がある人物から、安心できるステディな相手になった──喩えは古いですが、往年の人気海外ドラマ『ビバリーヒルズ高校白書』で言うなら、ディランではなくブランドン、そういう感じになると思います。
銀行が取り扱う投資商品の1つ、日本にもそんな日がやってくるでしょうか...。
作業記録
これまで翻訳・編集した記事をずらずらと並べていましたが、あまり意味がないので、より作業記録的なものに変えてみました(Googleスプレッドシートで2軸のグラフも作れました!)