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暗号資産(仮想通貨)メディアでの翻訳編集、ほぼ毎日の編集後記。

ブロックチェーンとインスタントラーメンは同じ歴史を歩むのか?

非公式編集後記:2021年5月20日(木)〜21日(金)

ビットコイン、1週間の価格推移

ビットコイン、1週間の価格推移

ビットコインをはじめ、暗号資産(仮想通貨)全般が下落を続けています。先週は19日(水)に大きく下落した後、20日(木)、21日(金)にやや回復したものの、この週末は下落傾向にあります。

ビットコインの価格推移(全期間)

ビットコインの価格推移(全期間)

全期間の価格推移を見ると、3万ドルを割るかどうかがその後の分水嶺となりそうです。もしも3万ドルを割ると、底が抜けたような状況になりそうです。

ビットコイン、50万ドル?

下落傾向のなか、20日と21日もビットコイン価格についての記事を中心に公開していきました。

その中で印象的だったのは、次の2本。

著名ファンド・マネージャーとして日本の証券会社などが主催するセミナーにも登場するキャシー・ウッド氏が、このタイミングでビットコインは50万ドル(5500万円)になる可能性があると発言しています。

「可能性」の話ではありますが、著名ファンド・マネージャーのこのタイミングでの発言は、弱気に傾いている市場心理に歯止めをかけようとする意図でしょうか。

 

もう1つの記事は、暗号資産レンディング(融資)会社が、ビットコインの強気相場の中で、ユーザーに「下落に備えるよう」警告していたというものです。

 

ビットコインの価格が上がると、レンディング会社の利用者はビットコインを担保に、多くのお金を借りることができるようになります。

1ビットコインが5万ドルなら、1ビットコインを担保に、例えば、その50%に相当する2万5000ドルを借りることができます。

ですが、その状況でビットコインが3万ドルに下落すると、担保としての価値は1万5000ドル分となってしまい、貸している2万5000ドルに対して、担保が1万ドル分(この場合は、2万ビットコイン)不足してしまいます。

 

この場合、お金を貸している方(レンディング会社)は、さらなる担保、いわゆる「追い証」を求めます。マージン・コールとも呼ばれます。

レンディング会社は「追い証」が取れれば良いですが、取り損なうリスクも生まれます。なのでユーザーに対して、「お金を借りてくれるのはいいけど、ビットコインの下落リスクも考えてね」と警告したわけです。

インスタントラーメンの歴史

ブロックチェーンとインスタントラーメンは同じ歴史を歩むのか?

20日と21日は、不安定な市場動向となったことで、ビットコインの「価格動向」に関する記事がよく読まれました。そのなかで19日に公開した「ブロックチェーン競争、残り時間はわずかだ」が引き続き、よく読まれていました。

 

この記事は、前回の非公式編集後記でも触れましたが、内容は「初期段階と思われている業界の競争は、実はその段階で決まっている」というものでした。「初期段階だから、これから参入しよう」という考え方はもう遅い、というわけです。

 

確かに最近、近所のスーパーマーケットの売り場を見ていて思うことは、「いまだにサッポロ一番が売れている」ということです。

 

一般社団法人 日本即席食品工業協会「インスタントラーメンナビ」の「誕生と進化のストーリー」を参考にインスタントラーメンの歴史を振り返ると、インスタントラーメンが誕生したのは1958(昭和33)年8月25日。日本初の商品は、朝ドラのモチーフにもなった日清食品の「チキンラーメン」です。

 

そして、サンヨー食品の「サッポロ一番」が1966(昭和41)年1月、チキンラーメンの登場から7年強で誕生しました。

 

その後、「明星チャルメラ」「出前一丁」などが登場、1971年には「カップヌードル」も誕生します(カップヌードルを加えると、話がややこしくなるので、ここは「袋麺」にしぼります)。

 

1970年代は、ハウス食品カネボウフーズ丸大食品など、大手食品メーカーもインスタントラーメンに参入しました。

さらに80年代になると、高級インスタントラーメンが登場します。個人的にも「中華三昧」の登場は衝撃的でした。「楊夫人(マダムヤン)」も懐かしいですね。

 

以降、カップラーメンに押され、袋麺はやや低迷の時代が続きますが、2011年に生麺を意識した「マルちゃん正麺」が登場、翌年の2012年には「日清ラ王」のノンフライ麺が登場し、今は「袋麺新時代」が到来しているそうです。

 

参考:一般社団法人 日本即席食品工業協会「インスタントラーメンナビ 

 

そして、競争の激しいインスタントラーメン(袋麺)の中で、いまだに高い人気を誇っているのが、日本初・世界初のインスタントラーメンである「チキンラーメン」、そして「サッポロ一番」です。

 

最新の公式データなどは見当たらなかったのですが、2018年の東洋経済ONLINEの記事では、

1位 サッポロ一番 みそラーメン

2位 サッポロ一番 塩らーめん

3位 チキンラーメン

となっています。

 

また、LOHACOの「袋麺・インスタントラーメンの人気ランキング」(2021年05月22日更新)では、

1位 サッポロ一番 塩らーめん

2位 サッポロ一番 みそラーメン

チキンラーメンは、5位 となっています。

 

市場が誕生し、成長していく、ごく初期に登場した商品が、その後のさまざまな商品に負けることなく、トップ商品として存在しています。「ブロックチェーンも同じこと」──それが筆者の主張でした。

 

その真偽は、私たちが実際に目にすることになるはずです。

作業記録

5月20日(木)翻訳・編集ワード数:1613

 

5月21日(金)翻訳・編集ワード数:1357