非公式編集後記:2021年5月10日(月)〜16日(日)
ビットコイン、4万4000ドル台まで値を下げています。上図は、米CoinDeskが価格動向を追っている主要な暗号資産「CoinDesk 20」の一覧ページ。暗号資産は軒並み下落し、真っ赤。
今は17(月)の朝6時33分。アジアでの週の始まりで、どう動くか要注目です。
ビットコインは先週、下落傾向でした。
そうなると、ニュースは「ビットコイン以外」を扱ったものが多くなります(もちろん、テスラのビットコイン決済停止など、ビットコイン下落にフォーカスしたものはありますが)。
“模倣犬コイン”開発者の不思議な行動
先週、興味深かった(というか変だった)ニュースはこれ。
ドージコイン(DOGE)の人気が高まり、価格が高騰するなか、ドージコインの成功にあやかろうと、「模倣犬コイン」が続々と登場し、しかも模倣コインの開発者たちが、イーサリアムの生みの親であるブテリン氏にそうした模倣コインを大量に送りつけているというニュース。
模倣コインの開発者がなぜ、そうした行為を行っているのか、正確な意図はわかりません。シンプルに考えると、
●イーサリアムを生み出したブテリン氏に謝意を示している
(模倣コインのほとんどは、イーサリアムブロックチェーンで開発されています)
と考えられます。ブテリン氏のもとには数億ドルに相当する模倣犬コインが送らているとか。ですが、すでにイーサリアムの価格高騰でビリオネアになっているブテリン氏に、コインを送る行為は、素直に謝意を示しているとは思えません。
謝意を示すのであれば、ブテリン氏本人ではなく、イーサリアム財団などに寄付するほうが今は適切でしょう。となると、
●ブテリン氏に送付し、ブテリン氏に認めてもらうことで、お墨付きを得ようとしている
ということだと思います。ドージコインはイーロン・マスク氏という大きな後ろ盾を得ました。マスク氏がツイートするたびに価格は上昇し、多くのセレブもドージコインを持ち上げています。
「模倣犬コイン」はブテリン氏の後ろ盾を狙っているのだと思います。
もちろんブテリン氏はそうした意図を察しているようで、送られてきた大量の(多額の)コインをインドのコロナ救済基金などに寄付しています。寄付といっても、多額のコインを動かす(=売却して、送る)ことになるので、かなりのガス代(取引手数料)がかかっているそうです。
アルトシーズンの意味とは?
先週の大きな傾向──ビットコイン下落、イーサリアムを始めとするアルトコインの上昇──を受けて、「アルトコイン」「アルトシーズン」に関する記事も多く見られました。
アルトコインとは「ビットコイン以外」の暗号資産のこと。その一番手は、もちろんイーサリアムで、対抗はさまざまなDeFiコイン、大穴はドージコインという感じでしょうか。
とはいえ「アルトシーズン」を実現しているのは、ビットコインの上昇です。
上記の記事、やや説明不足で、わかりにくい面もありましたが、ようは、
・ビットコインが上昇
・利益を手にした投資家は、よりリスクを取る行動に
・アルトコインに投資、アルトコインの価格が上昇
という動きがあるという解説です。ビットコインの上昇とアルトシーズン(アルトコインの上昇)は、振り子のように動いているわけです。
なので、アルトシーズンはビットコインの強気市場をベースとしており、ビットコインは依然として拡大(普及)を続けているという記事もありました。
暗号資産市場をビットコインが引っ張ってきたことは間違いありませんが、ビットコイン一強の時代から、イーサリアムやDeFiコイン、そしてドージコインの人気は、市場が分散化し、成熟してきていることを表していると考えられそうです。
分散化・成熟化する暗号資産市場
そう考えてみると、今後の動きは、以下の3本の記事が象徴しているのではないでしょうか。
つまり、暗号資産は「資産」であると同時に、金融市場を創造的破壊(ディスラプト)するものに成長していくが、その一方でビットコインの突出した動きにはまだ時間がかかる。とはいえ、No.1暗号資産であるビットコインの投資資産としての確立は進む、という流れです。
ゴールデンウィークあけの1週間、そうした象徴的な動きを感じさせる週だったと思います。
その意味で、日曜日の記事は、週のまとめとなる記事でした。
作業記録
5月10日(月)翻訳・編集ワード数:2334
5月11日(火)翻訳・編集ワード数:1931
5月12日(水)翻訳・編集ワード数:2222
5月13日(木)翻訳・編集ワード数:1412
5月14日(金)翻訳・編集ワード数:1603
5月15日(土)翻訳・編集ワード数:949