非公式編集後記:2021年3月11日(木)〜12日(金)
このところ、ジリジリとした動きだったビットコイン、昨夜あっという間に再び600万円を超えました。米ドルでもついに6万ドル超えです。
また一つ、大台を超えたことで、この先、どこまで上がるかは、大手金融機関がレポートで価格予想を出したりしますが、誰にも予想できない領域に入っているのではないでしょうか。
ユニークであることのパワー
12日(金)には短い記事ですが、企業のビットコイン購入についての記事を公開しました。
タイトルは「世界的なトレンドか」としましたが、世界中に数え切れないほどある企業の中で、ビットコインを購入しているのは、まだごくごくわずか。
アメリカの上場企業に限っても、公表しているのはマイクロストラテジー、テスラ、スクエアなど10社にも満たない数です。
こうした企業は、世の中の超最先端を捉えていると見るべきなのか、特殊な例と見るべきなのか。とはいえ、優れたビジネスモデルを構築している企業(=超最先端であり、特殊)であることも間違いありません。
情報があっという間に世界をめぐる今、ユニーク(唯一無二)であること(アイデアはもちろん、それを実行できること)の重要性とその力(パワー)を痛感させられます。
代替できない才能とは
ユニークといえば、この2日間にもノン・ファンジブル・トークン(NFT)の注目すべきニュースがありました。ボクシング界のレジェンド、モハメド・アリのNFTが登場し、デジタルアートがオークションで約75億円で落札されました。
ノン・ファンジブル・トークン(NFT)は、「代替不可能な」トークン。ビットコインやイーサリアムなどは「代替可能」であり、例えば、1ビットコインは、別の1ビットコインと同じ意味で代替可能ですが、NFTは同じものは存在しません。
絵画や土地と似ています。もちろん「価値」は付けられるので、経済活動など人間の行為として何かと「交換」することはできます。
このところ、coindesk JAPANでNFTの記事が増えていますが、振り返ると、早い段階でNFTに触れたのは約1年半前、2019年9月19日の以下の記事です。
私は9月1日に編集部に加わったばかりだったので、この時は正直「そんなトークンがあるのかぁ」という程度の認識でしたが、この記事を書いた記者はNFTを熱く語っていました。
彼はニュースを伝えるだけでなく、より具体的に暗号資産やブロックチェーンに関わっていきたいと、すでに編集部を離れています。もう1人、coindesk JAPANの立ち上げに大きな役割を果たした人物もNFT分野に移っています。
NFT分野は今、文字どおりユニークで、代替できない人たちを集めていると言えるでしょう。ユニークで代替できないことの重要性は人間も同じ。付け加えるなら、動きが速いことも重要ですね。
その意味ではビットコインはノン・ファンジブルではありませんが、史上初の暗号資産(仮想通貨)でとして、ユニークな存在であり続けます。