tmplus

暗号資産(仮想通貨)メディアでの翻訳編集、ほぼ毎日の編集後記。

機関投資家が殺到するビットコイン、個人投資家はどう動く? プロが見限る日は来るのか?

ビットコインがプロに見限られる日は来るのか?

非公式編集後記 Vol.5:12月9日(水)〜12月15日(火)

非公式編集後記、なかなか追いつきません。今回は1週間分になりました。

3年前、ビットコインは当時の史上最高値をつけた後、大きく下落し、長く低迷しました。今回も史上最高値を更新した後、値動きは一進一退を繰り返しています。

「前回のように大きく下がるのではないか?」という弱気心理と、「今回の上昇は以前とは違う」という強気心理がせめぎ合っているように思います。

そんななか、9日(水)〜15(火)も、ビットコインの今後の上昇=今回は下落はないであろうことを予感させる動きが続きました。

 

変なたとえですが、マニアックな人気を集めていたアーティストに火がつき、プロの業界人たちが集まってきて資本を投下している、みたいな感じでしょうか。

動画サイトで人気に火がついた歌手に、ちょっと前のヒット曲を歌わせ、CM曲として使うとか……。

いつの日か、プロに見限られる日がくるのでしょうか。

アメリカの生命保険会社がビットコイン投資

生命保険会社は顧客から集めた保険料を運営して莫大な利益を上げている、まさに「ザ・機関投資家」です。

11日には、アメリカの老舗生保がビットコインに1億ドル(約100億円)を投資したというニュースを公開しました。

100億円は間違いなく、すごい金額ですが、同生命保険が投資口座に保有している金額は、なんと24兆5000億円とか。100億円は、0.05%にもなりません。

マスミューチュアル生命保険は創業1851年、169年の歴史を持つ老舗です。1851年といえば、日本は幕末。三菱の創業者である岩崎弥太郎が生まれた年です。

そんな歴史ある生命保険会社が、わずかとはいえ、ビットコインに投資。

このニュースの他にも、10日には、機関投資家が暗号資産ファンドに資金を投入しているという記事を公開。

また11日は、ヘッジファンド業界の超大物で、ビットコインに懐疑的だったことで有名なレイ・ダリオ氏が、ビットコインの見方をやや前向きなものに変えているという記事を公開しました。

企業がインフレへのリスクヘッジとして、ビットコインを選択する動きはますます加速しそうです。

 

と書いていると、ビットコインは2万ドルを超えました。

オルタナティブとしてのイーサリアム

ビットコインは、オルタナティブ資産(代替資産:株式や債券など、伝統的な金融資産に代わる資産)と言われますが、ビットコインの“オルタナティブ”としてイーサリアム(ETH)に注目が集まっています。

9日には、

を公開しました。

2020年夏、DeFi(分散型金融)がブームとなったことで、その基盤となるイーサリアムブロックチェーンに注目が集まり、イーサリアムブロックチェーンのネイティブ通貨であるイーサリアムに注目が集まった、という図式です。

14日には、以下の記事もありました。

開発者にとっては、イーサリアムがNo.1の暗号資産になっている、という記事です。DeFiブームは落ち着きを見せていますが、世界的な「金あまり」で投資資金も潤沢になっており、新たな開発プロジェクトはお金を集めやすい状況にあります。

DeFiブーム、あるいはそれに代わる「新しいなにか」は大きなブームは去ったとしても、継続的な動きとなりそうです。

 

先週は、注目のニュースが続いたこともあり、平日に急ぎで記事をチェックし、公開することが続きました。そのため、土日は通常、それぞれ2本を金曜日までに仕込んでおくのですが、間に合わず……。土日は1本ずつの公開となりました。

そして、週明けの月、火も、注目のニュースが続きました。

ビットコインを支える“クジラ”

14日は、前述のイーサリアム記事に加えて、以下も公開。

ビットコインの“クジラ”、つまり1000ビットコイン(今なら、およそ21億円相当)を持つ大口保有者の動向についてです。

以前は“クジラ”と言えば、初期からビットコインに投資していた個人を指すイメージがありましたが、今ではクジラ=機関投資家というイメージになりつつあります。

一番最初に紹介した米生保のマスミューチュアル生命保険も、当然“クジラ”です。新しい“クジラ”が次々と生まれています。

 

“クジラ”は、その大きさゆえにビットコインの値動きに影響を与えます。15日に公開したのは、“クジラ”の動きについての分析記事。

複数のデータがあり、異なった視点を提供しています。例えば、ビットコインが上昇している間、

  • “クジラ”は下落局面を捉えてビットコインを購入、価格が反発するとすぐにある程度の利益確定売りに動いた。
  • 一方、大部分の個人投資家は、最高値を更新する直前の下落局面でパニック売りを行い、その後の価格上昇を傍観した。

記事では、11月24日〜30日までのビットコイン保有高別の購買行動のデータを紹介しています。26日の下落局面で、保有高が5ビットコイン(約1100万円)未満の人たちは、ビットコインを売却し、5ビットコイン以上の人たちは、購入しています。

前日の25日(上昇局面)は逆の動きになっており、上昇から下落の2日間のコントラストは面白いほどです(詳細は、ぜひ記事を確認してみてください)。

 

“クジラ”、つまり機関投資家の参入がビットコインの上昇を引き起こしている、と言われていますが、別のデータはむしろ、「下落を防いでいる」ことを示しています。

「下落を防いでいる」は、結果的には上昇につながっているので、「上昇を引き起こしている」と言えますが、機関投資家はプロとして「安く買い、高く売る」を徹底しているようです。

個人投資家はどう動くべきか

では個人投資家はどう動くべきでしょうか。

15日、“クジラ”の記事とともに公開した2本が、指針となりそうです。

ビットコインカストディ(保管・管理)サービスを提供する大手投資信託会社は「信じられないほど成功」と述べています。

暗号資産、少なくともビットコインがプロ(機関投資家)に見限られる日は、そう簡単には来ないようです。

ですが、イーサリアムの共同創業者であるブテリン氏の警告を忘れないように。

作業記録

12月9日(水)翻訳ワード数:2236

12月10日(木)翻訳ワード数:1914

12月11日(金)翻訳ワード数:1227

12月12日(土)翻訳ワード数:338

12月13日(日)翻訳ワード数:302

 12月14日(月)翻訳ワード数:1374

 12月15日(火)翻訳ワード数:1047